DAI-ICHI BUSINESS SCHOOL

4限目 アンダーライティング分野のポイントを知ろう! 今回の講師は契約審査課の渡邉真菜さんです。

こんにちは。渡邉です。私たちの仕事についてしっかり理解してくださいね。

アンダーライティングの仕事とは

これからみなさんに、生命保険事業を支える「アンダーライティング」の話をします。みなさんにとっては耳慣れない言葉だと思いますので、まずは何を意味するのか説明します。
金融業界において「アンダーライティング」という言葉は、2つの業態で用いられています。1つは証券・投資銀行の業態、そしてもう1つが私たち保険の業態です。
経済学を専攻している人は、証券ビジネスにおけるアンダーライティング、つまり「引き受け」業務については、多少知識があると思います。この場合の引き受けとは、企業などが証券を発行して市場から資金調達を行う際に、証券会社が一時的にすべてを引き取り、その後に多数の投資家に販売することを言います。

アンダーライティングはどんな仕事をしているのだろう。

一方、私たち保険会社では、お客さまと取り決めをした保障を引き受ける(保険の引き受け)という意味だけでなく、契約から管理、そして契約の履行に至るまでの「あらゆる事務オペレーションとシステム処理」を広くアンダーライティングと呼んでいます。ちなみに、第一生命では、(1)契約前の審査や契約成立を扱う「新契約」、(2)契約を管理する「保全」、(3)保険料の入金管理を行う「収納」、(4)契約内容に基づき保険金などをお支払いする「保険金・給付金支払」の4つの業務と、それらの業務にかかわる膨大な事務処理を支える事務システムインフラの強化を行うことをトータルで「アンダーライティング」といいます。
バックヤードの仕事なので地味に見えるかもしれませんが、実はとても重要かつ戦略性が求められる分野なのです。

事務システムインフラ 1.新契約 2.保全 3.収納 4.保険金・給付金支払

アンダーライティングの本質

金融商品は「姿カタチ」が見えません。では、実際にお客さまは「いい商品だな」とどこで実感されるのでしょうか。たとえば、カメラという商品をカタログなどで選別して購入したとします。それが本当に良いカメラであれば「きれいに写る」「使いやすい」などの実感を得て満足します。
保険商品の場合、そうした満足感は、シンプルな手続き、確実で安心感のある契約管理、迅速かつ的確なお支払い…などを着実に行うことで得ていただくことができます。「変更などの手続きが明解で簡単」「大切なお知らせが事前にきちんと届く」「保険金や給付金、年金などのお支払いを通じて安心をお届けする」といったことが、とても大切な要素なのです。
もちろん、ミスは大敵です。お客さまの名前や住所のの入力に間違いがあったり、大切な書類の発送が数日遅れただけでも、商品としては「欠陥品」とみなされてしまうこともあるわけですから…。このように考えてみると、実は「アンダーライティング」こそが商品であり、日常業務の積み重ねが「商品の品質」に直結していると言えるのです。

シンプルな手続き 迅速かつ的確なお支払い 安心感のある契約管理 満足♪

責任の重さ

第一生命は約1,000万名の個人のお客さま(生命保険に加えて提携商品を含めた契約者および被保険者の数)を抱えています。また、2013年度には保険金と給付金と年金の支払いを合わせると総額で1兆7436億円になります。単純計算で1日あたり約48億円、営業日換算では約67億円を毎日支払っていることになります。

企画・管理分野(さまざまな仕事) 行動原理(DSR憲章)持続的な企業価値の創造   経営理念お客さま第一主義

これだけの契約をきちんと管理し、さまざまなご要望にも対応し、確実に履行していくことが、どのくらい重要で、かつ責任をともなう仕事なのか、おおよそはご理解いただけると思います。くわえて、新商品が誕生するたびに帳票や事務フロー体制を用意しなければなりません。帳票類の作成や事務手順の考案・確認、システムとの連動、営業部門への手続きの案内など、そうしたすべてを私たちアンダーライティング分野が担っているのです。

ITシステムとの連携

このように膨大かつ煩雑な事務処理は、「ITシステム」なしには機能しません。ですから、事務を実際に担っている部署(私もそのひとりです)の人たちと、ITシステムを専門に扱う部署の人たちは、絶えず連繋して仕事をしています。社内には「ITビジネスプロセス企画部」という先進のITオペレーションを扱う部署があり、情報処理システムの子会社と連繋して、安定した運用とさらなる利便性・効率性を追求しています。アンダーライティングの仕事は膨大な情報を処理する先進の技術と基盤によって支えられているのです。

ITシステム 連繋 アンダーライティング

私たちの取り組み

では、次に、私たちが日々どのような意識を大切にして仕事をしているか、お話ししましょう。私たちは事務部門・IT部門に関わらず「事務オペレーションを変革しよう」と考えています。事務の流れをシンプルにして効率性や確実性を向上させる取り組みはもちろん、お客さまに情報を正しくお伝えする工夫や、標準化・共通化を常に念頭において仕事をしています

P(Plan) 計画 D(Do) 実行 C(Check) 評価 A(Act) 改善

仕事において「計画→実行→評価→改善」のプロセスをくり返すことをPDCAサイクルを回すと表現しますが、アンダーライティングの分野では個人・チーム・部署といったあらゆる階層において、このPDCAを意識した活動に取り組んでいるのです。皆さん。ここまでお話をして、どこまで私たちの仕事を知っていただけましたか。保険のアンダーライティングは、「保険」という商品の品質を支えていると同時に、保障や年金などを通して広く社会に貢献する重責を担っていることを日々実感しながら、私たちは仕事をしています。

アンダーライティングの仕事について理解を深めることはできましたか。今回の授業はここまで。5限目は海外事業です。お楽しみに!
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