※取材当時は、株式部オルタナティブグループに所属。
大学院では数理統計学を専攻しました。就職活動では、その強みを活かすことができ、若手にチャンスを与え、積極的に育成する文化があることを企業選びの軸としていました。金融機関全般を視野に入れていましたが、その過程で出会ったのが第一生命グループでした。面接でクオンツとして働く方と話す機会があり、理系の素養の必要性や、理系出身者のキャリア形成について丁寧に説明していただき、入社を決めました。入社後、金融技術開発を手がけているみずほ第一フィナンシャルテクノロジー(株)に配属となり、第一生命の資産運用部門などに対する、金融コンサルティング業務を担当しました。その後、第一生命運用企画部にて担当ファンドのアセットアロケーション業務を経験した後、米国大学院に留学。現在は株式部オルタナティブグループで、ヘッジファンド投資に向けた調査、分析などを担当しています(現在は、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー(株)に所属)。
現在の担当業務であるヘッジファンド投資では、主に海外のファンドマネジャーと日々面談を行っています。彼らは、金融マーケットの動きを熟知し、いかに収益を獲得できるか戦略を考え出すプロフェッショナルです。その運用論や金融マーケットのビューを聞き、議論することで、私自身のビューを日々ブラッシュアップさせています。その過程には数学などの学問の知識はあまり必要とされません。しかし、金融マーケットの動きを追うプロセスでは、中央銀行の動向、政治的な動向、規制の動向など、さまざまな要因を配慮したうえで合理的なシナリオを導き出す必要があります。このプロセスは、理系の研究過程に必要とされる思考プロセスに類似するものがあり、勉強したことが活かせていると感じています。また現在の業務における新規投資に向けたデューディリジェンス、特にクオンツ運用型ヘッジファンドの新規投資に向けた分析では、大学院で専攻した数理統計学をはじめ、プログラミングなどの知識・スキルを大いに活用しています。今後はこれまでの業務や海外留学経験で得た知見を活かしながら、新しい業務に取り組み、自身の視野を広めていきたいと考えています。現在、第一生命グループは海外事業展開を加速させています。海外現地法人においても、資産運用、商品開発、リスク管理において、理系の知識が必要とされていますので、自身が海外事業展開に貢献していくことが当面の目標です。